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26話 無邪気なお願い


まあここ10日ほどの、高村課長にのぼせていた気持ちは、
拓海には絶対もらすわけにはいかないけれど。
でもこういう遠距離恋愛で、
なぜか盛り上がらなくなったメール交換って、
どうやって元の勢いに戻せばよいのだろう。
わたしはそれから数日、家に帰ると携帯を握りしめ、
あれこれ考え、悩むことが多くなった。

そんな、ある水曜日。
プロジェクトの後輩、小牧美恵子が昼休みに言った。
「水波先輩、今週の金曜日、合コンに出てくれません?」
「費用は当然、自己負担だよね」
「ええ、まあ……」
「どんな人たちが来るの? それによって考える」 
小牧美恵子がモッツァレラピザを片手に言うには、
某精密機器メーカーの、研究開発室の人たちだそうだ。

その社名を聞かされたとき、
頭の中にいきなり、アルパカの顔が浮かんだ。
なぜアルパカが? と思ったが、
あ、なるほど。草を食べる動物だからか。
わかりやすい。
「了解。でもつまらなかったら、その場で居眠りするから」
「わっかりました。小牧、がんばります。
水波先輩だったら本当にしそうですもんね、居眠り」
失礼な。黙ってそっと帰っても、居眠りはしないよ。たぶんね。
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

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