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24話 前進するもの


「おはようございます!」
翌週の月曜も、職場にはわたしが一番乗りだった。
そしていつも通り、コンビニで買ったカフェオレをすすり、
アンパンをかじりながらメールをチェックしていると、
プロジェクトのメンバーたちが元気よく出社してきた。
当然、高村課長も出社してくる。
「おはよう」
課長の声に、思っていた何倍もドキッとしたが、
いつもと同じように笑顔で挨拶を返す。
「おはようございます」
課長も、いつも通りの何もなかったような顔だ。
わたしはまたメンバーのスケジュールと目標も確認し
さっそく、週明けのミーティングが始まる。

「わかっていると思うが、プレゼン通過は単なるスタート、
本来の目的、本当の業務は携帯サイトの提供と維持だ。
本日午後、さっそくクライアントとの打ち合わせがある。
明日にはその報告のミーティングをするので、
今日は各自の担当箇所の問題点を洗い出しておけ」

メモをとりながら、課長との関係が始まらずに済んで、
本当によかったとあらためて感じていた。
このフィールドに恋が混じったら、仕事も恋も台無しだ。
「水波は、今日の打ち合わせに同席しろ」
真顔の課長に、わたしは何の後ろめたさも感じることなく、
「はい、わかりました」と力強く返答した。
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

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