お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

16話 思わぬ結果


夢中でプレゼンを終えて会議室を出たわたしは、
案内してくれた女性にお礼と挨拶をし、
高村課長と一緒にクライアントの社屋を出た。
そうして電車で会社近くの駅までたどり着いてから、
課長はおもむろに大きく伸びをする。
「さて、ちょっと茶でも飲んで帰るか」
わたしもやっと、ほっと息をつく。

カフェに入ってから、課長にお礼を言った。
「今日は助けてくださって、ありがとうございました。
自分でも気が動転して、どうしていいのかわからなくて」
「なに、あのくらい普通だ。緊張しない人間は成長も遅い。
オレなんて初プレゼンの前はトイレで吐きまくりだった」
課長はそう言って豪快に笑う。

それからしばらくふたりして黙っていた。疲れたのだ。
課長はカフェのソファで大胆に足を組み、
背もたれに頭をのせ、天井を見上げている。
相当に行儀の悪い格好だが、不思議にサマになっている。
20代の男性だと、こうはいかないだろう。

なんか……さっきから、高村課長が気になって仕方ない。
プレゼン前とは違う意味で胸がドキドキしている。
……やだ。もしかするとわたし課長のことが、
好きになってしまったかも……まさかね。
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

お役立ち情報[PR]