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8話 きびしさは愛のように


「週間スケジュールは、
ただ全員分並べても無意味だって先週も言っただろ。
目標が定まらなければ結果はでない。
全員分の目標を記入してこい。やりなおし」
「わかりました」
わたしは高村課長に頭を下げて自分の席へ戻る。
そして言われた通り、メンバー全員に今週の目標を聞き、
記入し直し、あらためて課長のところへ提出しなおす。
「キツイっすよね、課長は」
隣の席の後輩、小牧美恵子がそっとささやいた。
「ありがとう。でもこれはわたしも悪いから」
眉をハの字に下げて、小牧さんに苦笑してみせる。

「水波(みなみ)菜々子、これで朝から30分のロスだ。
来週同じことをしたら、リーダーからおろすぞ」
「はい、すみません」
高村課長は厳しい。今日もまた怒られてしまった。
なぜだろう。課長はわたしには、他の人よりも厳しい気がする。
だけどわたしは、その厳しさが嫌いじゃない。
どこかにわたしへの信頼と期待を感じて、
ちょっとうれしい気持ちもしているのだ。

それから午前中は、プログラミングの下請けをお願いする会社に、
最後の価格交渉にでかけた。とはいってもそれは形だけで、
内容は今まで課長と同行した間に決めてある。
あとは最後の確認と書類交換だけなので、気持ちはラクだ。
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

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