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7話 狙っていけ


「おはようございます!」
大きな声で挨拶をしたけれど、班のメンバーからは返事がない。
それも当然、わたしが誰よりも早く出社しているからだ。
メールチェックをしながらカフェオレをすすり、
アンパンをかじっていると、次々に後輩たちが出勤してくる。
「おはようございます」
瞬く間に8人全員の席が埋まっていった。

「では、週の頭のプロジェクト会議を開始します。
各時この1週間のスケジュールをもう一度報告してください」
このプロジェクトが発足する、約1カ月前。
わたしはまぐれで、中堅のクリーニングのチェーン店から、
会社の携帯サイトを作る仕事の受注を請けた。
ウチの会社としてはかなり大きな仕事だ。
会社は営業で仕事を持ってきたわたしを、
ためらわずにプロジェクトのリーダーに抜擢した。
仕事でいわゆるリーダー役を務めるのは、初めてだ。
1カ月たってやっと最近、一緒に仕事をする仲間たちが、
何を考えているかが、わかり始めてきたところ。

わたしはこの月曜の朝も、取りまとめたメンバーのスケジュールを、
直属の上司である、高村課長に持っていく。
「お願いします」
高村課長は返事もしないでスケジュールの一覧を見る。
「なんだこれ。何べん言えばわかるんだ」
椅子に座ったままの課長は、上目遣いにわたしをにらんだ。
水波菜々子(27)
学生時代に出会った拓海と遠距離恋愛中。仕事は携帯サイトの企画営業。
野田拓海(27)
地方に本社を持つ精密機械の部品製造会社勤務。本社に抜擢され転勤。
高村直樹(35)
菜々子の上司にあたる、営業課長。仕事にはとても厳しいが……。
小牧美恵子(24)
同業他社から菜々子の会社に転職してきた新人。
篠田修治(28)
大手精密機器会社の研究所に勤務。趣味はアート鑑賞。

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