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78.昨晩の出来事

高い位置のシャワーヘッド。
小柄な瑞希にあのシャワーヘッドの位置は不自然だ。しかし、長身の杉山さんなら・・・
哲平はこのとき、最後の賭けに出ることを決心した。

昨晩、雨に濡れた杉山さんに瑞希はシャワーを貸してあげた。髪が乾くまでまた普通に昔話をしていただけだ。今の瑞希にとって5〜10年後のどうなるかわからない未来を語られるより、思い出話の方が楽しかった。
「あれ? ピーナッツ、嫌いだったよね?」
会話の途中でふと満杯になったピーナッツのビンを杉山さんは指差す。
「食べてあげようか?」
「ううん、大丈夫」
このピーナッツは最後の砦のような気がした。これを杉山さんにあげてしまったら全てが洪水のように崩れさっていくようで瑞希は怖かった。
まだ何かにしがみついていたかったのだ。


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