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74.忘れ物

哲平は自分の作ったスパゲティに一口も手をつけず、瑞希の家を後にした。
瑞希は黙々と哲平が作ったスパゲティを機械的に口に運ぶ。
夏野菜と黒豚のスパゲティ・・・それほど斬新なアイディアとも思えず、あまり期待もしていなかったのだが、瑞希は全て平らげた。美味しかった。
大げさではなく、ここ数年、こんなに美味しいパスタ、食べていないかもしれない。
哲平なりに苦しんで作り上げた一品なのかもしれない。
そのとき、ふと8年前のことを思い出した。
瑞希は杉山さんが沖縄に行くと決めたとき、
「私と夢とどっちが大事?」なんて子供みたいなことを言って困らせた。
今、自分は同じ過ちをもしかして繰り返そうとしているのか?


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