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愛される資格-8

「ない。急ぐから手を離して」
雄太の顔が、見たこともないような怒りの表情に変わった。

「勝手なこというなよ。どこ行くんだよ」
「いう必要ない。わたし出て行くから。もううんざり」

わたしは雄太の手を振り切ると、走って逃げた。
雄太も追ってこようとしたが、サンダルなのでそうは走れない。
バレエシューズを履いていて、本当によかったと思う。

わたしは再び電車に乗り、第二の我が家となった
ウィークリーマンションに帰る。
シンプルな部屋に、水色のスーツケースだけが、
ぽつんと色を添えてわたしを待っていた。

それを開けて服や日用品をクローゼットや洗面所にしまう。
すると「自分の居場所」の出来上がり。何という満足感だ。

ホッとすると、またひどく眠くなった。
きっと体や心が求めているのだろう。
シャワーを浴びると、まだ夕方だけれど素直に寝る。

翌日は、朝5時に目が覚めた。携帯を見ると雄太から
「いいかげんにしろ」など、怒りのメールがいくつも着ていた。

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