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第37回 「リーマン・ショック」から1年、経済はどうなった?


知ったら変わる 働く女子のためのやさしい経済講座
第37回 「リーマン・ショック」から1年、経済はどうなった?
「リーマン・ショック」と言われてから早1年。これを発端に不景気の波が押し寄せましたが、1年経った今の経済状況は好転しているのでしょうか? それとも……? エスカーラメンバーから取ったアンケートとともに経済の現状を石原先生に解説してもらいました。
あなた自身は、景気の最悪期を脱したと感じてますか?

最悪期から脱したと感じている人は、約3割。まだまだ「不景気から脱した」と感じている人は少ないようです。

あなたの会社は、景気の最悪期を脱したと感じてますか?

最悪期を脱したと感じている人は、約2割。自分自身の景気よりも会社の景気のが厳しいと感じている人が多いことがわかりました。

[複数回答可 回答者数:500(1年目= 8.4%、2年目= 11.0%、3年目= 13.8%、4年目= 14.6%、5年目= 17.4%、6年目=13.8%、7年目=10.4%、8年目以上=9.8%、その他=0.8%)/2009年8月『escala cafe』にてWEBアンケート調査]

日本の景気回復に欠かせないと思うものは何ですか?

エスカーラメンバーの考えとは?

  • 給料アップと雇用拡大。(1年目/正社員(総合職)/ホテル・旅行・アミューズメント)
  • 政府が無茶をしないこと。国民の目線に立ち、国民の意見を尊重すること。(2年目/派遣社員/金融・証券)
  • 少子化対策、格差解消。(3年目/正社員(一般事務)/ホテル・旅行・アミューズメント)
  • アメリカの景気回復。(4年目/正社員(総合職)/情報・IT)
  • 貿易黒字。(5年目/正社員(総合職)/建設・土木)
  • 減税!(6年目/正社員(一般事務)/通信)
  • 高齢者の対策。(7年目/正社員(総合職)/医療・福祉)
  • 貧困層への支援。(8年目/正社員(総合職)/ソフトウェア)
エスカーラメンバーからの回答を見ると、まだまだ不景気真っ只中、と感じている人が多い印象でした。実際のところ、今の景気の現状はどうなのでしょう? 教えて石原先生!
「強み」を持った国は、危機からの立ち直りが早い!日本は……。
アジア経済と政府の経済対策により、日本経済は底入れ
内閣府発表の2009年4〜6月期実質GDP速報値は、年率換算で3.7%増。自民党が「2010年度後半に経済成長2%」と掲げた水準と比べれば、どれだけ高いかがわかると思います。要因は、アジア向け輸出と公共投資、個人消費の伸び。おかげで、日本経済が最悪期を脱したと言われています。

しかしよく考えると、輸出先の経済環境や日本政府による経済対策によって、昨年から今年前半に急落した景気がマイナス水準から反発しただけ。景気回復の実感がわかないのも当然かもしれません。
金融システムは公共財、これを悪用したことが危機を招いた
1年前のリーマン・ショック後、世界の金融機関が危機に直面し、各国が政策で金融システムを支えました。銀行の救済には非難の声も出ましたが、金融システムはいわば公共財。世界金融のどこかで目詰まりを起こすと、お金を利用する誰もが悪影響を受けます。公共的な金融システムを安心して利用するための保護策と認めるべきでしょう。それでも金融不安は各方面にダメージを与えました。

しかし立ち直りを見る限り、各国の経済対策は功を奏したと言って良いでしょう。日本においても、冒頭のGDPが示す通りです。
私たちへの影響は?
2009年4〜6月期の実質GDPが急回復しても、アンケートで「景気の最悪期を脱した」と感じている人は27.2%。「自分の会社が景気の最悪期を脱した」と感じている人はもっと少なく、20.2%です。景気指標と、働き手や消費者としての実感の間には、ギャップがありそうです。

景気指標では、前年の同じ月や前回調査に比べて最新データがどう変化したか、という見方で景気の良しあしを見るものがほとんどです。国民が景気の良さを実感するのは、変化率ではなく現状の仕事量や収入の額、資産価値といった絶対数字が高水準になった時なのでしょう。

エスカーラメンバーが「今、一番元気だと思う国」は、圧倒的多数でトップが中国(44.0%)。2位のインド(13.0%)を大きく突き放しています。また、ドバイや産油国という回答が多く、オイルマネーが自国の景気を押し上げる印象が強いことを伺わせました。日本も自国の強みや海外にアピールできる産業を持たなければ、好景気の感触を得られないかもしれません。

「今後5年間で景気が最も伸びる国」として、日本と答えた人は2.8%でした。ここでも最も多かった回答は中国(42.4%)、次がインド(26.0%)。他を大きく引き離して、この2国を有望視する声が圧倒的です。

「景気回復に欠かせないもの」として、政策や政治への要望が多かったのは、8/30以前にとったアンケートだったので衆議院選挙を意識してのことでしょうか。そういう中にも、「国民一人ひとりの意欲」「女子の購買意欲」「向上心」「閉塞感・無力感の打破」といった、自分たちの力で何とかしていきたい気持ちが見られるコメントも。政治に頼るだけでなく、国民全員が日本を活性化するよう、一人ひとりが底力を発揮していきたいものですね。
用語解説
実質GDP
GDP(Gross Domestic Product)とは、国内総生産のことで、簡単に言えば「国内の儲け総合計」です。GDPには、単純に計算結果の数字を表現した「名目GDP」と、物価変動の影響を除いた「実質GDP」があります。実質GDPは、名目GDPとして計算されたものに、物価上昇分の調整をして計算し直したものです。例えば、名目GDPが1%増の時期に物価が2%上昇していれば、その期間における実質GDPは、−1%となります。
石原先生からのお知らせ
現在、日経新聞が運営する女性向け会員サイト「club Nikkey」でもコラムを連載中。「club Nikkey」は、もっと詳しく経済を知りたい人におすすめ。石原先生は、マネー活用術を教えてます!


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