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出会いの森の迷い子-2

「そのまさかだ。いいから帰って来い」

それから父とは大口論だ。わたしは泥棒が入るなんて、
宝くじに当たるより確率が低く、あり得ないと主張した。

対して父は、何かあってからじゃ遅いの一点張り。
話はずっと平行線だったが、最後に母がイヤらしい切り札を出す。

「いいから、1回帰ってらっしゃい。
 お父さんも心臓悪いのに、心配かけないで」

冗談じゃない。1度職を離れたらもう2度と戻れない。

「わかった。じゃあ30歳まで東京にいて、
 結婚相手が見つからなかったら、その時は帰る」

もちろん帰る気はない。その場を収めるためのウソ。
翌日は逃げるように、昼前には実家を出た。


燃える夕景にビル影が映える頃、東京の自宅に到着。
やっぱりいいな、都会は。もう田舎には住めないよ。

部屋は3日も留守にして閉め切っていたせいで、
妙な熱気がこもってむっとしている。

ベランダのカーテンを引き、掃き出し窓を勢いよく開ける。
と、ベランダの隅からガガガガガガガッと大きな音が!

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