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木々を揺らす風-12

新しい部屋の表札に名前を入れたわたしは、
キッチンに向かい目玉焼きとサラダを作った。
おっと、パンを焼くのを忘れちゃいけない。

潮と別れた傷は、まだまだ癒えてはいない。
理屈ぬきで、ときどき心がひどく痛んだ。

それでもときどき考える。もし麻理さんとのことがなくて、
あのまま潮と結婚してたら幸せになれただろうか。

いや。彼はいつかやはり浮気をして、
同じような過ちを犯したのではないか?

そしてなまじ籍が入っている分、
もっと苦しく取り返しの付かない結果になりはしなかったか?


そう考えるのは、わたしの負け惜しみなのかもしれない。

でも別れた直後に考えるより、不思議なくらい楽しいのは、
きっとこの部屋に陽の光がよく入るからだと思う。

これからどんな人に巡り会い、どんな未来をおくるのか。

目玉焼きを作りながら、自分のこれからの可能性を、
さまざまに思い描いてみた。

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