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木々を揺らす風-3

そんな平穏な日々が続いた時、ある激しい雨の夜、
潮がずぶぬれになって帰ってきた。

ちょうど休みで家にいたわたしは、
バスタオルを持って玄関に走り、潮の頭をごしごし拭いた。

するとタオルの下から、くぐもった声が聞こえてきた。

「俺……しなくちゃいけなくなった」
「え、今なんていったの?」

問いただすと潮は、
余計に深くバスタオルをかぶるようにしていう。

「俺、結婚しなくちゃいけなくなった」


わたしは、猛烈に腹がたった。
「今も一緒に暮らしてるんだから、ムリに結婚する必要ない。
 義務感でプロポーズなんてしてくれなくても結構!」

すると潮はタオルからそっと顔だけを出していった。
「違う、寿賀ちゃんじゃない人と結婚しなくちゃいけないんだ」

雨が入ったせいなのか、それとも涙なのか、
潮は目を真っ赤に腫らしていた。

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