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33話 新しいアイデア


私は立ちあがり、自分のアイデアをみんなに説明した。
「昨日の夜、私はドレッサーにずらっと並べたマニキュアから、
淡いグリーンを選びました」
私のネイルの全体は透明で、爪先だけ半透明のグリーンと
キラキラ輝くラメを散らしてある。
「朝、マニキュアに似た色の、ペリドットのピアスとネックレスを
合わせました。私の誕生石なので、これをつけるとパワーが出るんです」
かわいい、素敵ですね、という声がみんなからあがり、私はほほ笑んだ。
「それで思いついたのですが。
誕生石をイメージしたシャンプーというのはどうでしょう?
それぞれの宝石をイメージしたパッケージで、12カ月分、12種類。
それなら、誕生日のプレゼントにもピッタリです」

「それ、良さそう!」という声があがった。
「プレゼントだけじゃなく、自分用にもいいよね。気分に合わせて
その日のシャンプーを選べたら、バスタイムが楽しくなりそう」
女性たちはすっかり乗り気のようだ。
だけど、大田さんの表情は、いまひとつさえない。
「12種類も作れるかなぁ? コストがかかるとOK出ないんだよ」
「そこを何とかしましょうよ」
「大田さん、交渉してください」
大田さんはみんなの真剣なまなざしを見て、口元を引きしめた。
そして笑顔になり、「がんばってみるよ」とうなずいた。

ホッとして時計を見ると、7時35分だった。
もうすぐ、藤木さんに会える——。
【登場人物】
一之瀬莉緒(28) 化粧品会社の広報。ニューイヤーのカウントダウンのため、1人NYを訪れ……。
藤木和哉(29) テレビ局のディレクター。NYのカウントダウンで莉緒と知り合う。
古川渉(29) 食品会社の広報。仕事がらみで莉緒と知り合いに。時々食事に行く仲。
奥村千紘(52) バー「ブパサニワット」のオーナー。
大谷美紀恵(33) 莉緒の上司。

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