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38話 誰が生きるの?


遼子の店に行くのは、彼女の占いのうそが発覚してからはじめて。
気まずい雰囲気になるかと覚悟していたけれど、
そんな心配は無用だった。
今までの思いを吐き出すように、一気にいろいろなことを話した。
宗田くんとの出来事や、私の思い、占いのこと。

すべて言い終わると、遼子は深くため息をついた。
「ねえ、清美の人生は、誰が生きてるの?」
幼稚園生に聞くような口ぶりに、私は少しむっとした。
「私に決まってるでしょ」
「そうですね」と、遼子の子ども扱いは終わらない。
「なんでそんなこと聞くの?」
私がつっかかると、遼子の視線は急に鋭いものになった。
「だから、清美の人生は占い師が生きてるわけじゃないってこと。
『恋愛で悩んでるなら仕事に打ち込みましょう』なんて、
誰でも言えるでしょ」
「わかってるよ、そんなこと!」
思いがけず大きな声を出してしまった。
まわりのお客さんの視線を集めてしまったのがわかる。
私はたじろいだけれど、遼子は気にせず返した。
「わかってないよ。宗田くんや私にだまされたなんて言ってるけど、
いつだって清美は踊らされてるじゃない」
私は唇をかみ締め立ち上がったけれど、それに続く言葉が出てこない。
その通りだ。私はいつも、占いに頼って右へ行ったり、左へ行ったり。

「遼子は、不安になることないの?」
急にクールダウンした私の声に、遼子は首をかしげた。
「今、私が進んでいる道はこれでいいのかな、とか。
今日一日、ちゃんと笑っていられるかな、とか。不安にならない?
私はすごく不安なの。でも、占いを信じて、それを実行していれば、
少しは安心するでしょ」

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