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36話 まじめな子


私たちは店を出て、地下鉄の駅まで並んで歩いた。
宗田くんの手には、私がおごったイチゴシェイクが握られていた。
「明日のプレゼン、清美さんも来てくれませんか」
「いいよ。そこの社長、かなり厳しい人らしいね」
課長から聞いていた。新人だからといって、容赦はしないタイプらしい。
「はい、もうぼく、今から緊張しちゃいます」
宗田くんは泣き笑いの表情を浮かべる。
普通に話せるだけでもうれしかった。
また、先輩と後輩として、一から関係を築いていきたい。

「あと、それから」
急に宗田くんが立ち止まったので、私もつられて足を止めた。
宗田くんは、急にまじめな表情をこちらに向けた。
「もう一度、告白させてください」
え? と戸惑う私に、宗田くんは続ける。
「もう一度、考えてほしいんです。僕と付き合って——」
「だめだよ」
さえぎるように私は言った。
明るい声を心がけたけど、うまくできなかった。
「どうしてですか。もう、だますような手は使いません。約束します」
宗田くんが悲しげな目を向ける。
今回の仕事への取り組みを見ればわかる。宗田くんは、まじめな子だ。
でも、もう彼と付き合うことはできない。
「今は仕事をがんばりたいときだから、恋愛していられないの」
「仕事か恋愛かどっちかなんて、そんなルールありません」
うつむく私に、宗田くんはたたみかけた。
「それも占いの結果ですか?」

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