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33話 大きなチャンス


翌朝、営業に出ようとすると、また課長に呼ばれてしまった。
見ると、これ以上ないほどの微笑み。
きっとなにか仕事を押しつけられる……あきらめに近い気持ちで
課長の前に立った私は、思いもかけないことを言われた。
「今度、中小企業向けの営業チームを仮に立ち上げることになってね」
「はあ」とあいまいな返事をする。
案外、宗田くんの無鉄砲な営業が、上に認められたのかも
しれないと思った。でも、それをなぜ私に話すのだろう。
「そのチームのチーフに、君が内定したよ。
このまま、チームが部門に発展すれば、一気に部門チーフだ」
一瞬、なにを言われたのかわからなかった。
「私が、チーフ?」
「清美くんにしてみれば、同期初になるわけだし、
プレッシャーを感じるかもしれないけど、自信をもっていいよ。
あの営業成績を見たら、誰もが君が適任だと判断するよ」

席に戻りながら、占いが現実になっていることに気づいた。
宗田くんをすっきり忘れられれば、きっとうまくいく。
「清美さん、すごいですね」
あきちゃんが近づいてきて飛び跳ねた。
「今晩、みんなでお祝いしましょうよ。宗田くん、来られるよね」
あきちゃんが、営業に向かおうと立ち上がった宗田くんに声をかけた。
「すみません、今晩はちょっと」
宗田くんは気まずそうに言った後、私に頭を下げて出て行った。
すっきり忘れなきゃいけないんだ。
寂しさを隠すように、心の中で何度も唱えた。

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