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29話 独り立ち


翌日の月曜日、営業へ行く私の隣に、宗田くんはいなかった。
先週で研修を終えた彼は、今日からひとりで営業に行っている。

昨日、私たちはそのまま喫茶店で別れた。
最後まで、もやもやとした気持ちが残った。
今もそれが消えることはない。
今朝のミーティングでも、宗田くんと顔を合わせづらかった。
宗田くんは、いつも通り明るい様子だったけど。
だから、今日から宗田くんが独り立ちするというのは、
ある意味タイミングがよかったのかもしれない。
2人きりで営業先を回るなんて、きっと耐えられなかった。
そう思いながらも、どこかで寂しさを感じている自分がいた。

外回りを終えてオフィスに戻ると、宗田くんはもう帰ってきていた。
課長のデスクに呼び出され、なにか言われている。
課長の様子から、あまりいい呼び出しではないことがわかった。
あきちゃんが私のところへよってくる。
「宗田くん、また安請け合いしてきちゃったみたいですよ。OJTの間も
あんなに清美さんのこと悩ませてたのに、まったく懲りないですよね」
私と営業先を回っていたときは、
宗田くんのなんでも「できる!」と言ってしまう性格を「威勢がいい」
くらいにしか思っていなかった課長も、今回は頭を悩ませたらしい。
宗田くんに話す口調が、だんだん厳しくなっている。
私はそっと自分のデスクに戻ろうとした。
でも、結局課長にみつかって、すぐに手招きされた。

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