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25話 グル


言葉にならない怒りや悔しさで、私は病院に背を向けた。
遼子の呼び止める声が聞こえたけど、振り向きたくもなかった。
「待ってよ、清美さん」
強引に腕をつかまれ、私は立ち止まった。
立っていたのは、宗田くんだった。
「……泣いてるんですか」
宗田くんは、消え入りそうな声で言った。
私はうつむいたまま首を横に振った。でも、涙があふれてきてしまう。
「私が100パーセント信じること知ってて、遼子、うその占いを」
「僕が頼んだんです。ごめんなさい」
ごめんなさい? そんな言葉じゃすまされない。
それじゃ、2人はグルだったってこと?
「2人で私をだまして、なにが楽しいの」
感情的になってしまった言葉を、もう引っ込めることはできなかった。
それに比例するように、宗田くんの声も大きくなっていた。
「楽しくなんかありませんでした。
でも、僕はどうしても清美さんに振り向いてほしかったんです。
だから占いの力に頼ってしまいました……ごめんなさい」
宗田くんも泣きそうな顔になっている。
よく意味がわからなかった。
私に振り向いてほしい? それなら宗田くんと遼子はどういう関係?
そこでふと、私の中のなにかが解けたようだった。
「遼子が言ったうその占いって」
「大切な日に、大切な人に出会うという占いです」
あ、それ? でもやっぱり、意味がわからない。
「ゆっくり、話聞いてもらえませんか」
宗田くんはうるんだ瞳で私を見つめた。

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