お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

23話 おかしな図


「なんだ、よかった」
私は思わず目じりを押さえた。
安心して涙が出てくる。力が抜けていくのがわかった。
へろへろと宗田くんの隣に座る。
「安心してください。僕、頑丈にできてますから」
なぜか宗田くんに励まされてる。
「『安心してください』じゃないよ。
こっちは清美にも連絡しちゃうくらいビックリしたんだから」
遼子が怒った口調で言った。私もそれに加勢する。
「そうだよ、遼子が取り乱すなんてね、相当なことだよ。反省しなさい」
宗田くんはまた、肩をすくめて頭をかいた。
「でも、清美さんがこんなに心配してくれるなんて、嬉しいです」
宗田くんは屈託のない笑顔を見せた。まったく反省していないけれど、
今は無事でいてくれただけで許してしまえる。

宗田くんを挟んで私と遼子。3人並んで長いすに腰掛けている。
ようやく落ち着いてきた私は、あることに気づいた。
明らかにこれは、おかしい図なのだ。
「ねえ」と私が切り出すと、宗田くんは嬉しそうにこちらを向いた。
「なんで遼子と宗田くんが一緒にいるの?」
「……あっ」と言う遼子と宗田くんの声がそろう。
その様子を見て、私の中の違和感はさらに増していった。
だって絶対におかしい。
遼子はこの3月に退社、宗田くんは4月に入社。接点はないはずだ。
百歩譲って接点があったとしても、休日に2人で会うなんて。
「ねえ!」と私が聞きなおすと、2人は明らかにうろたえていた。

お役立ち情報[PR]