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17話 これは運命です


運命って、本当にあるのかもしれない。
それは自分の意思とは関係なく訪れて、その人の人生を大きく揺さぶる。
そう思わないと、宗田くんとの出会いを説明することができない。

磐梯は、たくさん住んだ町の中でも一番好きな場所だった。
社宅の人も学校の人も、とても優しくて温かかった。
転校するといじめられることも多かったから、
余計磐梯での思い出はキラキラ輝いている。
その時間を共有した人と、こんな形で再会できるなんて。

「磐梯小で、清美さんが6年生のとき僕は1年生ですね。もしかしたら、
入学式で僕の手を引いてくれたの、清美さんだったりして」
宗田くんはそう言いながらいたずらっぽく笑った。
「これって運命ですかね」
——はい、これは運命です。
答えそうになったのを慌ててやめた。
宗田くんは、冗談で言っているのだ。
その証拠に、宗田くんは言ったそばからメニューを開き、
すっかり運命かどうかを考えるのをやめてしまったみたい。
運命は、次に頼む飲み物よりもずっと大切なものなのに。
「運命って、宗田くんは信じるの?」
私がたずねると、宗田くんは顔を上げた。
「どうだろう。50パーセントくらい、かな。
清美さんは100パーセント信じてるでしょ。占い大好きなんだから」
そのいたずらっ子のような宗田くんの顔は、
どこか見覚えがあるような気がした。私の思いすごしだろうか。

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