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13話 おっかなびっくり


「お、清美さんさすがっすね! ちゃんとできてる」
月曜の朝。宗田くんは私が作ったプラン案を笑顔で見ていた。
ちゃんとできていないと、営業先との約束を果たせない。
そのために休日返上でがんばったのだ。そしてそんな無理な約束を
交わしてしまったのは、紛れもなく宗田くんだ。
まったく、あと2週間の研修期間が思いやられる。

「こんなこと、もう二度としないから。いい? 
企画書を作るのにどのくらい時間がかかるとか、社内の確認事項とか、
まだわからないうちは、お客さんの前で勝手なことを言わないで」
私が言いはじめると、宗田くんが私に顔を寄せてくる。
「清美さん、機嫌悪いですね」
あー、こいつなにもわかってない。
私は冷ややかな視線を送ってみたつもりだったけど、
宗田君は変わらずニコニコしていた。

今日も営業先には、宗田君と一緒に行った。
OJTなのだから当然なのだけど、金曜の私とはまったく気分が違う。
デート気分だった金曜の私のほうがおかしいのかもしれないけど。
駅で定期入れに入った両思い切符を見たら、恥ずかしくなってきた。
「やっぱり、清美さんなんか変ですよ。なにか心配してます?」
電車の中で宗田君が言う。
私が「なにも」と答えると、宗田くんは首をかしげた。
「あ、占いで『今日はなにかいやなことがある』とかなんとか
言われました?」
えっ。とあげそうになった声をあわてて飲み込んだ。
どうしてわかるの? 私は「信じない」と決めたものの、
自己流のタロット占いで悪いカードばかり出たことが気になっていた。
だって、ものすごく低い確率。
だからなにかいやなことがあるのではないかとおっかなびっくりだった。

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