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12話 自己流


これまでこんなにも占いを信じてきたにもかかわらず、
私は自分で占いをしようという考えを抱いたことがなかった。
なんで考えなかったんだろう。自分でできるようになれば
これ以上なく経済的だし、遼子の機嫌をとる必要もないのに。
これは名案だと張り切って、電車の中でさっそく本を開いてみた。
しかし、さっぱり頭に入らない。カードの意味もほとんどわからない。
「スプレッド」と呼ばれる並べ方の一覧を見ると、
こんなにたくさんあるのかと目がくらみそうだった。

家に帰って、とりあえずタロットを裏向きに床に広げた。
「ま、自己流でいってみるか」
なにかを念じるように目を細めてカードを見つめる。
占うのはもちろん恋愛運。
「えい、これだ!」
直感で選んだ1枚を、私は勢いよく裏返した。
人間が立っているカードだった。
いや、よく見ると、逆向きだから立っているように見えたようだ。
本で調べると、「XII吊るされた男」というカードだとわかった。
意味は……と本を見て唖然とする。「吊るされた男」の逆位置は、
「無意味な犠牲」。
私はカードを元に戻すと、シャッフルしなおした。
「今のは練習」と心の中で繰り返す。
しかし、何度やっても明るい未来を感じさせてくれるカードは出ない。
「死神」のカードが出てきたところで、私は静かに本を閉じた。
やっぱり、私には占いをするセンスはないらしい。

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