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9話 大風呂敷


「どういうつもり?」
営業先のユーアールがあるビルを出て、私は立ち止まった。
歩道を歩きはじめた宗田くんも、立ち止まり私を振り返る。
「どういうつもりって……?」
と、私の質問の真意がわかっていないらしい。

結局、週明けにユーアールを含めた中小企業用のプラン案を作って、
もう一度提案に行くことになった。宗田くんが「できる」と
言ったことを、私が「無理です」と言うわけにはいかなかった。
そして大切なことがひとつ、今日は金曜日だ。
つまり週明けに仕上げるためには、今日と土日しかない。
「あんな大風呂敷広げて、本当にできると思ってるの?」
すると宗田くんは満面の笑顔になり、私に一礼した。
「ご指導、よろしくお願いします」
ご指導って。運命の人相手にイラっとしている自分がいる。

オフィスに戻って課長に報告すると、なぜか課長は喜んでいた。
宗田くんが、やる気あふれる若者に映ったのだろう。
「ひとつのビジネスチャンスかもしれない。がんばって、朝倉さん」

それから宗田くんとプラン案の作成に入ったけれど、なかなか
まとまらない。というより、宗田くんがなにも知らないことに驚く。
新人って、こんなになにも知らないんだっけ……。
よくもこんな知識で、「プラン案作ります」なんて言えたものだ。
「私が新人のときは」なんて話していて、
自分でおばさんっぽいと嫌気がさした。

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