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8話 営業先


もらった両思い切符を、大切に定期入れに入れた。
営業先に向かいながらも、一層顔がにやけてしまう。
いや、にやけるというより、きっとほとんどとろけてる。
でも、ここは営業成績1位を誇る、営業ウーマン。
営業モードに入らなければ。

営業先はIT企業のユーアールだった。近々、規模を大きくするために、
情報管理を外部に委託するか検討しているという。
まだ若い社長は、他にも何社か営業に来てもらっているということを、
話の節々で匂わせていた。他社に持っていかれるわけにはいかない。

そこから、私たちの会社の利点やサービスを話した。
しかし、相手からの反応はあまりよくなかった。
「うちよりもっと規模が大きな会社向けなのかな」
社長は私の持ってきた企画書を読みながらぼそりと言った。
確かに今後拡大するといっても、
ユーアールほどの事業展開で外部委託するところは珍しい。
中小企業向けのプランはないため、社長の感想ももっともだった。

そのときだ。それまでずっと黙っていた宗田くんが、突然口を開いた。
「御社のためにプランを作成し、改めてご提案させていただけませんか。
中小企業向けのプランを、作成します」
耳を疑った。そんなこと、いきなり新人ができることじゃない。
「できるの? じゃあ、週明けには欲しいんだけど」
と社長も前のめりになる。
「はい、がんばります!」宗田くんはにっこり笑うと言った。

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