お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

タイムカプセル-10

ひとしきりはしゃぎ終わると、いろいろな話題が出た。

特に昔話。通っていた荒れた中学では、教室で立ち歩いたり、
いきなり大きな声を出して、廊下に飛び出す生徒もいた。

外へ飛び出した男子を、先生から「探してくれ」と頼まれ、
ひとり近所の公園を探したこともある。

……そのことは今日、他の人がいい出すまで、
まるで思い出しもしなかったことだけれど。

でもあの時は本当に怖くて、心細くて、寂しくて、
探しながらも「どうか見つからないで!」と祈りながら歩いた。

思い出すと、今も胸の奥が締め付けられるような気分になる。

「小川さん、あの時はたいへんだったよね」
「いっしょに、行ってあげたかったよ」

わたしには、みんなが覚えていて、
密かに気遣ってくれていたのが、本当にうれしかった。

何だか、涙が出てきそうになって、自分でも驚いている。
わたしはあの時ひどく傷いて、そのまま今も傷つき続け、
ずっと癒されずに来たことに、今やっと気づいたのだ。

お役立ち情報[PR]