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タイムカプセル-8

大きくため息をついた途端、壇上に一人の男性が上がった。
今回の同窓会を企画した人だ。

しばらく目を凝らしてから……やっと誰だかわかった。
一時もおとなしくしていない、ふざけてばかりのコだったのに。

誰もが変わっていくんだなあ。
きっと自分では意識できなくても、変わらない人なんてないんだ。

乾杯の音頭に、半分戸惑いながら唱和して、
ビールに口をつけると、後ろから声をかけられた。
「小川理和さんですか?」

振り返ると、同じ読書部だった宮川さんがいた。
「そうです……って、やだ敬語なんて。元気にしてる?」
「うん! もう毎日飛び回ってるよ」

話を聞くと、宮川さんはフリーライターをしているらしい。
たしかに、昔からアイデア豊富で、行動力のある人だった。

「読書部はただ本を読んでるだけ」といわれるのが悔しくて、
「みんなで図書館の本にポップをつけよう」と提案してきた。

おかげで地味で誰も来なかった中学の図書館は、
花が咲いたように明るくなり、生徒もよく来る場所になった。

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