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タイムカプセル-7

「……でもね、今は手放しで喜べなくて」

真理は口元に笑いを浮かべながらも、少し眉をひそめた。

「本当は働き続けたかったけど、妊娠っていったら、
 翌月から、もう契約更新してもらえなかったんだ」

「そんな。彼がいれば、妊娠してまで働かなくても」

「ううん、ダメ。あんな風に町を出たから、
 彼も契約社員にしかなれなくて。お給料かなり少なめで
 ……これで子ども生まれちゃったら、どうなるのかなあ」

真理の話はとても衝撃的だった。

もしわたしが登美夫と結婚していたら、
きっと今の真理の立場と、同じになっていただろう。

それどころか、海外に行ったまま帰ってこない登美夫を、
収入もないまま、待ちわびる生活だったかもしれない。

そして「フォトグラファーを辞めて」と泣いたりなじったり、
なりふりかまわず懇願したと思う。

登美夫がいった「結婚できない」は、嘘じゃなかった。

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