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タイムカプセル-4

地元の駅の改札で、わたしは中学で仲のよかった紀代子を待った。

やがて手を振りながら小走りでやってきた紀代子は、
中学時代と何一つ変わらない。来てよかった。

「どう、紀代子は元気?」「うん。毎日忙しいけどね。理和は?」
「うーん、半月前に彼と別れて、今ちょっと落ち込み中」

すると紀代子は、クスクスっと笑った。
「いいなあ、理和にはまだ無限の可能性があるのね。
 わたしなんか、毎日仕事と家事に追われてくたくただもん」

「別れたのに『いいなあ』ってどういうことよ。
 わたしには結婚できた紀代子の方が、何倍もうらやましい」

「えーっ! 結婚って、すればいいってもんじゃないよ。
 今の自分の仕事のほかに、相手の分の家事までするのが結婚。
 ……ああ、わたし夫の教育間違えたなあ」

紀代子は口をとがらせたが、でもどことなく幸せそうに見える。

「そうかなあ。ひとりで寂しく生きてくより、ずっといい気がする」
「うーん、でもそれは人によりけりだよ。それに結婚は
 『する』もので『できる』『できない』で考えたらダメ」

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