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43話 番外編 3話 真実の彼女 


圭子とのトラブルは、思いのほか事が大きくなってしまい、
結局、同期の美和もリーダーの真理子も巻き込んでの大騒動に発展した。
自分の不満がきっかけで、チームを混乱させて申し訳ないとも思いつつ、
実は、真理子がこの状況をどう収めるのか? 試すような気持ちもあった。
「私のせいで、2人ともに嫌な思いをさせてしまって。ごめんなさい」
真理子が口火を切る。やっぱり自分ですべてを背負うような言い方をするのか。
けれど、その後の真理子の態度は予想外のものだった。
口下手で自分の感情をうまく表現できる自信がないという木戸圭子に、
「うまく話せなくてもかまわない! 木戸さんの話を聞きたいの……!」
そう語りかけるように、体当たりで話を聞きだそうとしていた。

そのとき初めて気づいた。
あぁ、彼女は。卒なく何でもこなす女性などではないんだ。
こんなに必死になって、自分をさらけ出して相手に対しようとしている。
圭子の話を涙をうっすら浮かべながら聞く真理子には、温かさと強さが見えた。
真理子は……姉とは違うんだ。
今まで自分は真理子の何を見ていたんだろう。

圭子から本当の事情を聞きだすことができ、話は一件落着した。
フロアに戻る途中、真理子に今回の騒動を謝ると、
「ううん。むしろ、梶原君に感謝したいよ。ありがとうね」
そう振り返って、まだ涙の乾かぬ眼で微笑んだ。
もっと本当の真理子が知りたい。
今までの感情とは別に、急速に真理子に惹かれている自分を感じていた。
今は仕事仲間として、そして男として、この人を全力で支えたい。


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