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34話 泥の中の私


結局、医務室に朝からお世話になり、午前中で早退してきてしまった。
私的な事情で、モチベーションがあがらないから早退なんてリーダー失格だ。
罪悪感に駆られながらも、体のだるさはまだ続いているような気がして、
家に着くと、何もせずベッドに横たわり、泥のように眠ってしまった。

昨晩、耕太郎からのメールに、
日付が変わってからようやく出した一行きりの返事。
「OK。7時には帰るから」
久しぶりに会うのに、味気なさすぎる言葉。でも、それ以上は書けなかった。
今晩7時に耕太郎はうちに来るんだろうか。メールの返事はまだない。

「真理子、まりこ、まりこ……」
また栄一が名前を呼んでる……甘えてしまいたくなるから……やめて……。
「やめてっ!」
ハッと目を覚まし、今叫んだのは自分だと認識した。そうか、夢だったんだ。
「大丈夫か? 悪い夢でも見てるのかと思って、起こしたけど」
え? 驚いてとっさに声の方向を見る。
「あ、携帯もドアホンも出なかったからさ。合鍵で入ったよ」
懐かしい声、耕太郎だ……。気がつくと、ぼろぼろと涙がこぼれ落ちていた。
「おーい、どうした、どうしたどうした〜〜!? 本当に悪い夢でも見たか〜」
「耕太郎……こうたろ……」
涙は止まらない。
「私、不安で、不安で、しょうがなかったんだよ……」
伝えたいことは山ほどあったのに、そう言うのが精一杯だった。


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