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ラブ・スターをこの手に-12

「今俺の方は、デパートやライブでお笑いやってる。
 あとラジオ局でDJと、それからかけもちでかなりのバイト。
 冴子ちゃんは、彼氏とかできた?」

「うん。もうすぐ結婚する予定」
そういうと直輝は、少し寂しそうな顔をした。

「そっか。俺にはあれから彼女はいない。
 声をかけてきたコたちも、新人が出るたびにそっちへ走って
 ……別に俺でなくても、誰でもよかったんだよな」

「でもきっと、今に誰かに出会うよ」

そういいながらわたしは、自分には絶対に直輝の恋人や、
ましてや奥さんなんて務まらないと思った。

それに今思うとやはり、当時から彼に対して本気だったか、
自分の気持ちがあやしく思えてくる。

「FM局に葉書を送るから、出演しているラジオ番組教えて」

直輝は軽く微笑み、番組のタイトルと時間をメモしてくれた。

わたしはその時初めて彼との付き合いと別れは、
自分にとっていい経験だったと、心の底から思えた気がした。

(おわり)

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