お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

ラブ・スターをこの手に-10

「待ち伏せしてたあのコ、彼女なの?」
「……っていうほどじゃないけど。でも誘うとついてくる」
「はあ!? それって前から何度か会ってるってこと!」

直輝はお店の人が持ってきた肉を淡々と焼き、食べている。
わたしもひとくち食べたが、ぜんぜん味がしない。

「俺さ、お笑いやるまでずっとモテなかったんだ。
 だから自分を好きっていうコは、うれしいし断りたくない」

「ふざけないでよ、帰る!」
わたしはテーブルを叩いて、店を出た。
少し走って後を振り返ったが、追いかけてくる気配もない。

実は彼のことは、そんなに好きじゃないかも、
と思っていたけれど、涙が止まらなかった。

それから一応は謝りのメールが届いたけれど、返事なんかしない。
あんなギャル系と、と思うと不潔に思えて鳥肌がたつ。
即行で携帯のアドレスを変えると、連絡を断った。

でも別れてからしばらくは気力も湧かず、身体もだるかった。
なけなしの貯金を下ろして、派遣もしばらく休んだほどだ。

TVもうっかりすると直輝が出ているので、つけない。
街へ出ても当たり前だけど、以前のような高揚感はない。

お役立ち情報[PR]