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ラブ・スターをこの手に-6

「デートだっていったら、先輩が500円くれた」

直輝はなけなしのお金でジュースをおごってくれた。
映画も、意外に面白くってかなり得した気分。

見終わった後、ファミレスでご飯を食べる時も、
直輝は相変わらず楽しそうで、3時間も帰らずに話し続けた。

その間ずっと、心の中でふたりの自分が言い争った。

「このまま別れたら、またずっと会えなくなっちゃうよ」
「でも家に呼ぶなんて、あまりに『カンタンな女』すぎない?」

迷いに迷ったあげく、帰る直前、わたしは直樹にいった。
「今日、ウチに泊まっちゃいなよ」

ひょっとしたら、急ぎすぎたのかもしれない。
もっと彼の方から、何とかわたしをモノにしたいと思わせたり、
行動させるように、女としての努力をすべきだったのかも。

だけどその夜の直輝は、そんな思惑を吹き飛ばすくらい、
やさしくて大胆で、愛情に満ちていたと思う。

そして今は朝の5時。彼はこれからTV収録で、
その前に台本を取りに家に帰るという。

夜明けの薄青い光の中でキビキビと着替える彼を
わたしはベッドの中で幸せな気分で見ていた。
やはり自分の判断に、後悔はない。

「じゃ、また来るから。ってか、ちょくちょく寄らせて」
直輝は笑って、わたしの部屋を出て行った。

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