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ラブ・スターをこの手に-1

ああ、朝の光が目にしみる。
その日は地元の友人の結婚式とその二次会・三次会で、
ひさしぶりに夜中まで歌って飲んで、寝不足と軽い二日酔い。

そのせいかいつもより視野が狭くて、
なのに辺りがほんのりまぶしい感じがした。

だからエレベーターの中でじーっとこっちを見ている男が、
声をかけてくるまで、誰だかまったく気づかなかった。
  「あの……もしかしたら、冴子ちゃん?」

しばらく間があって、過去の記憶が猛然と逆流してくる。

「うそっ、直輝じゃない! こんなところで何してるの?」
「ある会社の30周年パーティに呼ばれて、営業に」

「うわあ、まだお笑い続けてるんだ。よかった!!
 ……って、ゴメンね。こんないい方、失礼だよね」

「いいよ。『地獄に落ちろ!』とかいわれても、
 文句いえた義理じゃないし。ね、時間あったらお茶しない」

 わたしは笑って「いいよ」と答えた。
 3年前に半年だけ付き合った、お笑い芸人の彼に対して。

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