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その大きな手で-4

出向先の会社は9時始まりだが、わたしは念のため
8時30分には着いている。

だが新人は、8時50分になっても来ない。
55分をすぎてから、メールを打ってみた。
だが……9時になってもメールの返事もない。

客先の担当者に「申し訳ありません」とお詫びを入れる。
笠木さんという担当者は「何もないといいですね」と笑った。

イライラのあまりこちらの頭が痛くなったが、無視して待った。
すると、10時近くになってやっとわたしの携帯に
「具合が悪いので医者に行きます」とのメールが入った。

わたしはただちに折り返し電話をして、当然のことをいった。
「遅刻するならもっと早く、携帯メールじゃなく電話で報告して!」

すると電話の向こうから、新人が消え入りそうな声で、 ハアハアと荒い息をしながら「すみません」と謝った。

今度はわたしの方が、急いで上司に事の次第を連絡する。
上司はわずかな沈黙のあと、ちょっと皮肉そうにいった。

「わかりました。こんな時間まで連絡しないのは困るねぇ。
 彼、新人研修では優秀だったのに……何かあったのかなあ」

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