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風の向こうへ-11

信じられない。今わたし、道ばたに倒れてる。
なのに道を歩く人も、子どもを遊ばせているおかあさんも、誰も寄ってこない。

こちらへ向かってこようとした若い男性のランナーも、
急に進路を変えたように思えた。

痛みよりも、恥ずかしさで絶望的な気分になる。

このまま死んだら、きっと成仏できない気がする。
……って、足がつっただけで死ぬわけないけど。ああ、バカみたい。

でも自分だったら、こうして地面に倒れてもがいている人を助けるだろうか?
助けない気がする。きっと見て見ぬフリだ。だから仕方ないんだろうか。

でもその時、視界の中で、急に進路を変えてこちらに走ってくる人が見えた。
「大丈夫ですか? ちょっと……失礼しますね」

その人は20代後半から30代前半ぐらいの男性で、
わたしをひょいと抱えあげると、ベンチの上に座らせた。

「こむらがえりですね。脚、さわってもいいですか?」
「ええ、ええ、いいですよ」

男性は清潔そうで感じのよい人だったが、普段なら絶対にお断りだろう。
だが今は「断らなくていいから早く何とかして」と言いたいくらいだった。

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