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風の向こうへ-10

真治のこともよく考えると「振られたこと」に動揺しただけで、
彼が「いないこと」には意外に平気な気もする。

その証拠に別れてから今まで「なぜ別れたのか」には散々悩んだけれど、
真治といっしょにいた時間も記憶も、ほとんど思い出していない。

もしかしたら、それほど好きじゃなかったのかも。
……そう思ったとたん、急に寂しさがこみ上げてきた。

わたしは3年間恋愛すらしていなかったのかと思うと、やはり青ざめてしまう。
そして真治より、過ぎ去った時間が急に惜しく感じられた。

もう帰ろう。そして今度は友だちにメールして、どこかへ遊びに行こう。
遊園地にいったり、スノボ旅行を計画してもいいかもしれない。

ベンチから立ち上がったとたん、ふくらはぎを強烈な痛みが襲った。
足がつってしまったのだ。

痛い、痛い、こんなに足がつって痛いのは初めてだ。
こんな時、こんな時は、どうすればいいんだっけ?

たしか……つま先をつかんで引っ張り、脚全体を伸ばすと治る……。

だが痛みでパニックだったせいもあり、つま先をつかもうとして、
座ったままベンチから転がり落ちてしまった。

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