お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

風の向こうへ-4

真治に振られてからは、なんだかとてもじっとしていられなくなって、
すぐに住宅情報雑誌を手にして不動産屋をまわりはじめた。

そうしてこの大きな公園のそばにあるマンションを見つけ、
一目で気に入って引越しを決めてしまった。

単純に変わりたかったし、癒されたかったのだと思う。
そうして毎日、朝公園の散歩を始めた。
霜柱を踏んだり、自分の吐く白い息が大きく広がっていくのを見ると、
とても新鮮な気分になった。

だけどウォーキングだと、いろいろなことを考えてしまう。

「もっと甘えられれば、別れにはならなかったかも」
「もっと結婚を意識して、仕事をセーブしてでも恋に賭ければよかったかも」

もういくら考えても、何が正解かなんてわからないし、
たとえ正解がわかっても、たぶんいまさらどうしようもない。

「もういいじゃん、何もかも終わったじゃない」
そう感じるのは、悪い気分ではなかった。
むしろ気持ちが大きく羽ばたくような、高揚した気分だった。

わたしは気がつくと公園を軽く走り始めていて、
毎日その走る時間が5分、10分と長くなり、最後はランニングになっていた。

お役立ち情報[PR]