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風の向こうへ-3

「他に好きな人ができた。別れて欲しい。
 美由紀は悪くない。みんなぼくが悪いんだ」

わたしは真剣に、彼に何度も理由を聞いた。
でも真治は「別に理由なんてない。他に好きな人ができただけだ」
という言葉を繰り返すばかりだった。

「……だから、他の女性に心が向いた、その訳が知りたいの!」

そういってもまた「別に理由なんてない。他に好きな人ができただけだ」。
この言葉が繰り返されるだけだった。

もともと真治は、自分の気持ちを細かく説明するタイプじゃない。
こんな不毛な言い合いを繰り返しても、彼の心はわからないだろう。

でもだからこそ、自分の何が悪くてこんなことになったのか気になる。
自分のどんな欠点が、こんな事態を招いたのか。

どこかで自分がそれに気がつけば、ずっといっしょにいられたのかも。
もうわたしは、27歳になるというのに。

そして別れるというのに、どことなくうれしそうだった真治。

わたしがいなくなっても、彼は別に寂しくないんだ……。
その事実には、正直、とても打ちのめされてしまったようだ。

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