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風の向こうへ-2

公園に入ると、おもむろに走り出す。
引越しするまで、まさか自分がランニングをはじめるとは思わなかった。

高校時代はテニス部に所属していたものの、
社会人になってからは特に運動には興味も必要性も感じてはいなかった。

それでも引越し後、広々とした公園がそばにあると知ると、
毎朝この緑の中を歩きたくなった。

かわいらしい小鳥の鳴き声や、枯れた芝生の暖かなにおいと、
宝石のように硬質で澄んだ冬の朝の光。

そうしたものに包まれていると、不思議な高揚感が湧き起こり、
歩くつもりが、いつの間にかついつい小走りになり、
気がつくと毎朝1キロほどを走るようになっていた。

引越しのきっかけは「失恋」だった。よくある話だ。

わたしには約3年の間付き合っていた、真治という彼がいた。
ケンカもほとんどしていなかったし、向こうが忙しいといえば、
無理に会おうともせがまなかった。

月に2、3回会って映画を見たり、おたがいの仕事のグチを言い合ったり。
穏やかに心やすらぐお付き合いで、別に交際に問題はないはずだった。

でも昨年12月の初旬、突然彼の口から別れの言葉が飛び出した。

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