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浮上1.5秒前-7

「でもその人に、かなり負担がかかるのも確かなの」
里香ちゃんはそっと涙をこぼした。
ひそやかな悲しみが、波紋のように教室に広がっていく。

雰囲気を察した年長の女の子たちが、
小さな子を連れて、廊下へ出て行った。

それと引き換えに他のお母さんたちが、静かに近づいてくる。

「大丈夫。お腹が大きくなってきたら、向こうも態度変わるから」
「きっと、かわいい子だよ。
 産まれたら、産んでよかったと思うに決まってるんだから」

お母さんたちの言葉に、わたしまで目頭が熱くなる。

最後に保育士さんが、里香ちゃんの肩に手を置いていった。
「里香さん、ここではガマンなんてしなくていいですよ」

こらえかねた里香ちゃんの嗚咽が聞こえた。
保育園の先生は、子どもだけの先生ではない。
心から尊敬し愛して頼ってもしまう、保護者みんなの先生でもある。

「ね、ちょっとでもつらいことがあったら、
 すぐにわたしや裕子にいうんだよ。聞くだけはいつでも聞くから」
すると彼女はやっと少し笑って、タオルハンカチで涙を拭いた。

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