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56話 彼の本心


慶介さんのレクサスを窓から見下ろしていると、
部屋の中で私の携帯が鳴った。
「もしもし、茜?」
受話器から響く低い声——。
反射的に、ときめいてしまう。
正直言うと、こうして直接会いに来てくれた……その事実に胸が震えている。
「話がしたいんだ」
「……」
確かに、最後はきちんと話をするべきだと思う。
だけど、今、彼に会ってしまったら、
すべてを許してしまいそうで怖い。

「来てくれないなら、俺が茜の部屋に行く」
それは困る。
散らかってるし、ワンルームだからベッドもあるし。
このままなし崩しに……なんてことになったら、最悪。
「……分かった。したくするから待ってて」

メイクをしながら、私は、慶介さんの気持ちについて考えてみた。
こうして追いかけてくるのは、私のことが好きだから?
それとも、逃げるものは追う男の本能?
もう一度だけ、彼の気持ちを確かめたい。
もし、本当に私のことだけを好きでいてくれるなら——。

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