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44話 ホテルの予約


電話の向こうでホテルマンが答えた。
「申し訳ありませんが、年内の予約はほぼいっぱいでして……」
ショックで目の前が真っ暗になる。
やっぱり——。

あの葉山のホテルは、すぐには予約を取ることができない。
私たちが泊まれたのは、つまり、
慶介さんはもっと前から予約をしていたってこと。
きっと、他の誰かと泊まるために。

「そうですか……」
めまいを感じながら、電話を切ろうとしたとき、
受話器から「ただし……」と声が聞こえた。
「来週の日曜日でしたら、キャンセルが1組出ておりますので、
お泊りいただけます」
私は受話器を握りなおして、尋ねた。
「あの、キャンセルはよく出るんですか?」
「それはそのときによりますので、必ず出るとお約束はできませんが、
時々はございますね」
「ありがとうございます。予定を立てなおして、また電話します」
と電話を切った。

夜が明けて太陽が昇ってくるように、私の心は明るさを取り戻した。

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