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40話 深まる疑惑


私の気配に気付いた慶介さんはハッと振り向き、「どうしたの?」と言った。
私は「忘れ物」とだけ答え、アトマイザーの入ったポーチを手に、
バスルームに戻った。
アメニティのロクシタンで体を洗いながら、さっきのことを考える。

シャワーの音が聞こえたから、安心してメールを打っていたんだろうな。
相手はまた大学の友達? 仕事相手? 同僚? それとも……?
携帯を2台持っているなんて、私は全然知らなかった。
彼に尋ねたら、今までと同じように、納得のいく理由が返ってくるだろう。
だけど、女の直感が、点滅する信号のように警告を発している。

「本当に最高だったんだから。
朝は、広いバルコニーで海を眺めながら、ブレックファースト。
キッシュもクロワッサンもジャムも、おいしかったぁ」
六本木の雑踏は相変わらず、うるさい騒音であふれかえっている。
葉山での優雅な時間が嘘みたいと思いながら、私はリョーコに語っていた。
「寒くなかった?」とリョーコが尋ねてきた。
「うん、ちょっと。でもコート着てたし、ブランケットもあったし」
「プチ旅行で私も行ってみたいな。それにしても、よく予約が取れたね。
あのホテルすごい人気で、予約は数カ月待ちってテレビで言ってたのに」
「え、そうなの?」
ドライブの約束は、そんなに前からしていたわけじゃない。
慶介さんは、どうして急に予約が取れたんだろう?

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