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34話 好きと言われたら


慶介さんの言葉は、私を安心させるための嘘かもしれない。
それでも、聞いているうちに、少しずつ心が晴れてくる。
「私のことも全部知ったら、怖いと思うようになるかも」
「そんなことないよ。茜は……優しい目をしてる。
だから、好きになったんだ」

——もう、この一言だけで十分。
好きな人から「好き」だと言われたら、
それだけで、他のことはどうでもいいくらい、嬉しくなってしまう。
今、大好きな人の隣で、同じ景色を見ている。
これ以上の幸せはない。
もっと2人でいる「今」を楽しもう。心の底からそう思えた。

車は神奈川方面へ向かっていた。
どこへ行くつもりなんだろう。
伊豆? 熱海? それとも鎌倉?
方向をヒントにして、行く先を予想する。

逗子インターで高速を降りると、彼は
「天気がいいから」と車をオープンにした。
オープンカーに乗るのは、初めて。
すり抜ける風が気持ちいい。
急な坂を上り、たどり着いたのは、小さなホテルだった。

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