お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

33話 本命はどっち?


「真実を尋ねる」という行為は、傷つく覚悟がなければできない。
彼女の方が本命だと告げられても、決して取り乱したりはしない、
そう心に誓ったうえで、私は口を開いた。
「この間、六本木で慶介さんを見かけたの」
「え、いつ? 声かけてくれればよかったのに」
慶介さんの声は、何のくったくもなく明るい。
私は緊張を隠しながら、話を続けた。
「慶介さん、女の人と一緒だったから」

彼の動きが一瞬止まった、ように見えた。
「じゃあ、多分、同僚とメシ行ったときかな?」
軽く受け流すような答えが返ってきた。
本当にただの同僚? それとも嘘?
——彼の表情からは読み取れない。

不安をぬぐいきれない私の表情を見て、彼は言った。
「大丈夫だよ、ヤキモチ妬かなくても。
同僚のことは、女として見てないから。っつーか、女として見れないし」
「どうして? きれいな人だったよ」
「いや」
と彼は首を横にふった。
「同じ仕事してるとさ、中身が全部見えちゃうんだ。
俺の同僚はみんな怖くて、恋愛対象にならないヤツばっか」

お役立ち情報[PR]