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32話 2人の行き先


慶介さんが運転する車は高速道路に乗った。
「どこに行くの?」
「着いてからのお楽しみ」
彼のペースに巻き込まれるのは嫌いじゃない。
行き先を決めて、ぐいぐい引っぱってくれるのは、頼もしい気がする。
だけど、何も分からないまま、全てを彼にゆだねるのは少し怖い。
ドライブの行き先のことだけじゃなくて、私たち2人のこれからのコトも。

今日は1日かけて、慶介さんの気持ちを確かめようと思う。
いつ、どうやって、あの女性のことを切り出そう?

そんなことを考えていると、ふと慶介さんからの視線を感じた。
前を向きなおした彼は、いきなり
「茜、なんかきれいになった」とつぶやいた。
嬉しい——と素直に思う。
ダイエットやエクササイズ、新しいワンピにメイク、
努力したかいがあった。
「俺と会わない間にきれいになるって、ちょっと複雑」
彼はほほ笑みながら、少しすねた口ぶりでそう言った。

髪型とか、きれいになったとか、慶介さんが私を見てくれている。
慶介さんは、私のことを好きだと思ってくれている、そう感じた。
少しだけ自信がついた私は「今、あのことを聞こう」と決心した。

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