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31話 ドライブデート


土曜日の朝、慶介さんは2シーターのレクサスで、私を迎えにきた。
車から降りた彼は、朝の光に負けないくらい、
明るくすがすがしいほほ笑みを見せた。
——やっぱり、かっこいい。
この人が、私が好きになった人。
この人だから、私は好きになったの。
そう叫びたい気持ちを抑えて、私は彼にかけよった。

「おはよう、久しぶりだね」「いいお天気になって良かった」
と挨拶を交わした後、彼は「髪型変えた?」と私に尋ねた。
シャギーを足して毛先を軽くしただけなのに、
そんな細かいところに気付くなんて、男性にしては珍しい。
けっこう見てるんだな、と思うのと同時に、
六本木で見かけた女性の長い黒髪を思い出した。
さっきまでのウキウキした気分が、一瞬にして沈みこむ。
……せっかくのドライブなのに、これじゃあ楽しめない。

リョーコは、「嫌われたくないなら、女性のことは訊かない方がいい」
というようなことを言っていたけれど。
こんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま、
笑顔を作り続けるなんて、私には無理。
やっぱり、本当のことを訊きたい。

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