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27話 孤独な横顔


マティーニを飲みながら、リョーコはきっぱり言いきった。
「追いつけなくて正解よ。もし、問いつめていたら——。
私だったら、問いつめてきた相手を切る。だって、面倒くさいもん」

彼女は浮気する側の人間だ。
クリスマスのときに、「クライアントとの会合がある」と、
当時5人いた恋人みんなに嘘をついた。
そして全員と、1時間ずつデートをし、
「大事な仕事を抜けてまで、会いにきてくれてありがとう」
と喜ばれたという。
そんなツワモノのリョーコと、慶介さんも同じなのだろうか。

私はテキーラをダンッとテーブルに叩きつけ、泡を立て、飲み干した。
「もう、浮気なんてやめなよ。
みんな本当は、騙されているフリをしているだけかもしれないよ。
だとしたら、とても悲しい思いをしてるはず……」
私の意見を、リョーコは怒るか、笑い飛ばすだろうと思った。
だけど、違った。
リョーコは、私よりも悲しそうな顔をした。
「……私だってやめたいよ。誰かひとりを本気で好きになりたい。
誰か、私を惚れさせてよって思う」
リョーコの孤独な横顔が、慶介さんと重なって見えた。

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