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24話 1人分の食器


食器カゴの中には、箸と茶碗と皿、
1人分の食器だけが伏せられていた。
作りつけの食器棚には、5客セットのグラスとティーカップが並ぶ。
そして、マグカップがひとつだけ。
もし恋人がいたら、マグカップは2つあるはずだよね?
飾り気のないシンプルな食器と、モノトーンの家具を見ているうちに、
慶介さんは寂しい人なのかもしれないと思った。

その日を境に、慶介さんからのメールが少しだけ増えた。
といっても、多いときで1日2通くらい。
やっぱり短いメールだ。
でも、ないときには3日くらい連絡がない。
そしてまた、会えない日々が続いている。

青い薔薇のプリザーブドで、シンプルなアレンジメントを作った。
透明なキューブに薔薇を入れ、すき間に白い羽を差した。
これなら、慶介さんの部屋にも合うかもしれない。
次に会うときに持っていってみようかな。
でも、男性に花なんて、迷惑なだけかもしれない。
とりあえず写真にとって、好みかどうか聞いてみよう。

いつの間にか、慶介さんのことばかり考えている自分に気付いた。

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